学校法人浅井学園(札幌)の経費流用事件で、国の補助金を不正受給したなどとして、補助金適正化法違反、背任、業務上横領の罪に問われた前理事長浅井幹夫被告(59)の判決公判が十日、札幌地裁であった。嶋原文雄裁判長は、懲役四年六カ月(求刑・懲役七年)を言い渡した。
浅井被告は、四件の事件で起訴され、公判では現金の流れについての事実関係は認めたが、「補助金の不正な受給や、私的な学園資金の支出を企てたことはない」などとして、無罪を主張していた。
論告によると、浅井被告は二○○一年から○五年にかけ、学園施設の壁面補強工事で、材料を減らして浮かせた工事費約五千二百万円を自宅改修費に充てて学園に損害を与えた。また、壁面工事を予定通り実施したと偽り、国の補助金約五千七百万円を不正に受給した。
さらに同被告は学園経費を横領し、知人らの車のリース代金約三百八十万円に充てたほか、学園関連会社でカラ雇用したとして内縁の妻で業務上横領罪に問われた渡辺朋子被告(38)に、給与の名目で約八百万円を渡した。
嶋原裁判長はこの日、浅井被告への判決の一方、渡辺被告に無罪(求刑・懲役二年)の判決を言い渡した。
一連の事件で、浅井被告の指示を受け、経費流用の実行役となった学園の元参与と元管財課長、建設会社社長は、いずれも一審の執行猶予付き有罪判決が確定している。
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