早期の衆院解散・総選挙に備えて体制整備を急ぐ自民、民主両党が、選挙協力を見込んで新党大地に猛アタックをかけている。自民党の伊吹文明幹事長が二十一日に鈴木宗男代表と会って選挙協力を要請する一方、民主党も小沢一郎代表自ら鈴木代表に電話で協力関係継続を呼びかけるなど、党首脳が相次いで大地にラブコールを送る。これに対し鈴木代表は態度を明確にせず「等距離外交」の構えで、自民、民主両党の「大地票」争奪戦は当面続きそうだ。
新党大地は四月の知事選、七月の参院選で民主党と選挙協力を行ったが、参院選道選挙区に立候補した新党大地副代表の多原香里氏が落選したことを機に、両党の関係はぎくしゃくし始めた。
そこに目を付けたのが自民党。古賀誠選対委員長が道内入りした十六日、「早くお会いしたい」と鈴木代表との早期会談を呼びかけた。
民主党も対抗意識をあらわにし、十七日には赤松広隆選対委員長が東京・永田町の議員会館で鈴木代表と会い協力関係継続を要請した。民主党関係者によると、民主党が比例代表で、大地が各選挙区でそれぞれ支援する内容を打診したとされる。さらに十八日には小沢代表が自ら鈴木代表に電話し、大地への協力体制を整えることなどを挙げ重ねて協力を求めた。
自民党も十八日に伊吹幹事長が電話を入れ、二十一日の自民党道連政経セミナー出席のため道内入りする際に札幌市内で会う約束を取り付けた。
次期衆院選は政権交代をかけた激しい戦いとなることが予想されている。自民、民主両党は新党大地が前回衆院選の比例代表道ブロックで獲得した四十三万票の行方が勝敗を分けると読み、大地票の「囲い込み」を狙っている。
一方、鈴木代表は民主党の要請に対し、「参院選の総括が終わっていない」として早急な協力合意には慎重な見方を示している。この影響で、「二十三日に小沢代表が道内入りする際に鈴木代表と会談する」との民主党の計画は不発に終わる見通しだ。
鈴木代表は自民党に対しても「地方重視への政策転換が実現していない」とし、政策で一致できない中での協力はないとの立場を崩していない。
大地内には「解散時期も見えないいま、一方にかじを切るのは早すぎる」との判断があるが、道内各党からは「両党を目いっぱい引きつけて値をつり上げる戦略」との見方も出ている。
(北海道新聞 引用)
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