道知事選は、八日の投票日を前に、共産党新人の宮内聡、現職の高橋はるみ、無所属新人の荒井聡の三氏が、最後の票固めに力を振り絞っている。有権者には「盛り上がりはいまひとつ」との見方があり、投票率低下を懸念する声も出ているが、各候補は大票田の札幌に集結し、無党派層への働きかけを強める構えだ。
宮内陣営は著名人による応援演説などの派手な演出はせず、組織固めを進める。最終日も、札幌市内の住宅地を中心に回り、暮らしや福祉重視の政策を訴え続ける方針。陣営幹部は「人柄の良さや政策ビラの効果が出て、若者や労働者層を中心に支持が広がってきた」と手応えを語る。
高橋陣営は「現職優位」との一部報道を受け、組織の引き締めに懸命だ。現職の知名度を生かした選挙戦を展開する高橋氏だが、支持母体である企業などの緩みを懸念する声もある。組織を固めるとともに、最後は大票田の札幌市内で、少しでも多くの人目に触れる作戦を展開する。
荒井陣営は支持母体の労組を引き締める一方、候補者本人は終盤の四日間を札幌対策に集中している。五日の堀達也前知事の支援表明に続き、六日は国民新党の亀井静香代表代行ら著名人を応援弁士に招き、支持層の幅広さをアピール。無党派層の取り込みに全力を挙げる。
今回の知事選で、焦点となるのが、投票率と無党派層の動き。
北海道新聞社が知事選告示後に実施した世論調査でも「支持政党なし」が全体の43・1%と、二〇○五年九月の衆院選から10・2ポイント増加。各陣営は無党派層の取り込みが勝負の分かれ目になるとみて、最終盤での札幌対策に力を入れている。
知事選の投票率は下落傾向が続く。一九八三年の横路道政一期目(83・89%)から下降を始め、道知事選史上最多の九人が乱立した前回(○三年)も61・81%にとどまった。
三陣営は「前回以上の投票率を期待する」と口をそろえる。だが、○五年の衆院選での「郵政民営化、是か非か」といった有権者を二分するような明確な対立軸がないことなどから、「60%を割るのではないか」(選対関係者)という見方も出ている。
(北海道新聞引用)
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