参院憲法調査特別委員会は七日、憲法改正手続きを定める国民投票法案について初の地方公聴会を札幌市内で開き、一定の投票率に達しないと投票が無効となる「最低投票率」の是非などについて、地元の公述人四人が意見陳述した。
最低投票率をめぐっては、野党推薦の小坂祥司弁護士が「棄権者があまりに多い場合は、賛成が過半数でも国民の意思が確認できたというのは無理がある」と指摘した。
これに対し、与党推薦の越前屋民雄弁護士は「棄権した人は自分の判断を投票に参加した人々に委ねたと考える面もある」として、最低投票率は不要との考えを主張。同じく与党推薦の武谷洋三・自由広報センター取締役も「戦後六十年で培った日本の民主主義の熟度は何だったのか。低投票率は想像できない」と反論した。
一方、同法案が公務員や教育者が地位を利用した運動を禁じていることについて、野党推薦の山口二郎北大大学院教授が「何が地位利用に当たるのかあいまい。行政権力が裁量で主権者の行動を統制するのは、国民主権とは相いれない倒錯した事態」と批判した。
与党は近く東京で中央公聴会を開き、五月中旬にも同法案を成立させる構えで、与野党の攻防は激しさを増しそうだ。
(北海道新聞引用)
コメントの投稿