【別海】陸上自衛隊矢臼別演習場(根室管内別海町など三町)内の風蓮川支流・三郎川六号砂防ダムの建設関連経費を、防衛省が来年度の概算要求に盛り込まなかったことが十五日分かった。本年度もダム本体の予算計上を見送っており、絶滅危惧(きぐ)種イトウの保護問題から建設に反対してきた地元自然保護団体は「もう造らないという解釈が常識的。一歩前進」とみている。
同省によると、ダムは高さ六メートル、幅三十三メートルの計画で、二○○六年度取り付け道路着工、○七年度本体着工の予定だった。しかし昨年、北大大学院生が同習場内の風蓮川支流の既存ダム周辺でイトウの産卵ふ化を確認。同省が他の支流も調べたところ、判明しているだけで三十一カ所の産卵床が見つかった。
同省は、イトウ研究者らとダムをどうするか調査中で「近く完成する報告書を見て、最終結論を出す」としている。
風蓮川支流の砂防ダムは既に十五基あり、自然保護団体・道東のイトウを守る会の田中明子事務局長は「既存分を含め、砂防ダムのあり方について、イトウの保護を最優先に再考いただきたい」と話している。
(北海道新聞 引用)
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