苫小牧の食肉加工製造卸会社「ミートホープ」の牛ミンチ偽装事件で、冷凍食品大手の加ト吉(香川県観音寺市)は二十八日、ミート社製原料で牛肉コロッケを製造していた子会社・北海道加ト吉(赤平市)についての外部調査委員会の調査報告をまとめ、「北海道加ト吉が牛肉偽装行為に関与した事実はない」と結論づけた。また、加ト吉は日本農林規格(JAS)法に基づく改善報告書を二十七日に農水省に提出したと発表した。
北海道加ト吉は今月十八日に牛肉コロッケ製造を再開。加ト吉は「説明責任はすべてつくした」(経営企画部)として幕引きを図りたい考えだ。
調査報告によると北海道加ト吉の工場長(当時)は、一九九九年のミート社との取引開始直後に衛生管理のずさんさを認識しながら《1》製造日改ざんを発見後も取引を継続し《2》二○○二年から約二年間、廃棄すべきコロッケをミート社に横流しし約四十万円で販売した。これらの背景には、取引で依存関係にあった両社の「なれ合いの構造」があったとした。
ただ、外部調査委がミート社の田中稔・元社長らから聴取した結果、北海道加ト吉側は「偽装肉であることを認識していたことにつながる証拠はなく、牛肉偽装行為に関与した事実はない」と結論づけた。工場長は事件発覚の今年六月に解任され、加ト吉に戻り自宅謹慎中。横流し分の代金は「従業員懇親会の景品などに使った」としているが、法的措置などの対応は「すべて未定」(加ト吉経営企画部)という。
加ト吉は再発防止策に《1》北海道加ト吉にDNA検査機を導入する《2》加ト吉本社が仕入れ先を選定し一括購入する《3》工場長の単独管理体制を排し、管理部門による相互監視システムを導入する-ことなどを盛り込んだ。
(北海道新聞 引用)
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